京都・祇園祭 宵山 ポチの推しは綾傘鉾

神戸猫のPochi(ポチ)とMontblanc(モンブラン)と綾傘鉾(あやがさほこ)イラスト

正装した棒振り囃子は、祇園祭の山鉾巡行の時以外は滅多に見られませんが、綾傘鉾保存会が、動画で正装した山鉾巡行時の様子を紹介されてますので是非ご覧ください。

京都の祇園祭には色々な山鉾がありますが、神戸猫のPochi(ポチ)とMontblanc(モンブラン)が好きなのが綾傘鉾(あやがさほこ)です。
鉦、笛、太鼓のお囃子で、舞いながら棒を振って災厄を祓う棒振り囃子では、舞っている棒振りの赤熊(しゃぐま)と、太鼓を持つ巡柱(じんちゅう)が被る斜め上の鬼面が奇抜で面白く、テンポの良いお囃子と舞がとても気に入ってます。
綾傘鉾は、今日の山鉾の形態が完成する以前の古い「傘鉾」の形態をとる鉾で、応仁の乱以前の15世紀前半の記録にも出てくる600年近くの歴史を持つ鉾です。

山鉾巡行の時の棒振り囃子を見るのは、暑さと人出に負けそうで大変です。そこで、正装はしてないけれど宵山の7月14日・15日・16日と、綾傘鉾の会所がある大原神社近くで披露される棒振り囃子を見ようと、昨年(2022年)は15日の宵山に出かけました。
祇園祭 宵々山 歩行者天国の烏丸仏光寺付近
綾傘鉾に近い烏丸通のホテルに泊まるから、ゆっくり宵山を楽しめるね。暗くなりかけの午後7時過ぎの歩行者天国の烏丸仏光寺付近。烏丸通の夜店にすごい人やね。奥に小さく京都タワーが見えるで。
烏丸通から綾小路通に入り西へ進むと鶏鉾があり、
祇園祭 宵々山 鶏鉾
さらに西へ行くとお目当ての綾傘鉾やね。
うわ~、伯父さん、身動きできないくらい人がいっぱいやね。まだ8時前やし他の山鉾を見て、9時頃の棒振り囃子に戻ってきましょか。
祇園祭 宵々山 綾傘鉾
そやな、そうしよか。四条通に出てきたら夜目遠目でも、長刀鉾はよう分かるな。
祇園祭 宵々山 四条通
お祭りの夜店はたまりませんね。地元の人やろな、という親子連れがほんまに多いなぁ。
祇園祭 宵々山 夜店
確かに宵山の夕方になると、町のあちこちから聞こえてくるコンチキチンの祇園囃子のなか、浴衣姿の親子連れが夜店に集まってくる様子を、今まで何回も見たことはあるからな。
祇園祭 宵々山 月鉾
その時の祇園囃子の熱量は「やっぱり京都の祇園祭やな、すごいなぁ」と思ってしまいますよね。
祇園祭 宵々山 郭巨山
京都出身の俳優の佐々木蔵之介さんが、宵山のTV生中継に出演していて「子どもの頃は、京都の夏にはこの祇園祭の他に、五山の送り火や地蔵盆があるけれど、この後はすぐ夏休みや、という祇園祭の宵山が一番楽しかった」と話してはったしね。
祇園祭 宵々山
山鉾のなかで、この蟷螂山だけが「からくり」の仕組みがあって、蟷螂と御所車の車輪が動くようになってるんやね。
祇園祭 宵々山 蟷螂山
あちこちで祇園囃子を聞きながら、うろうろしてたら9時近くになったから、綾傘鉾へ戻ろか。
祇園祭 宵々山 綾傘鉾
棒振り囃子のための口上が、何かどこかで聞いたような懐かしい気がして、面白いな。いよいよ棒振り囃子が、太鼓から始まるね。
祇園祭 宵々山 綾傘鉾 棒振り囃子
3~4分ほど太鼓の舞の後に、いよいよ棒振りが出てきたで。
祇園祭 宵々山 綾傘鉾 棒振り囃子
棒振りと太鼓がダイナミックに舞って、お囃子も上げ調子になってきたで。
祇園祭 宵々山 綾傘鉾 棒振り囃子
棒をだんだん早く回したり、棒を回しながら跳んだりして災厄を祓ってるんやね。
祇園祭 宵々山 綾傘鉾 棒振り囃子
棒振りが縄跳びのように棒を跳んだら、棒振り囃子は終わりなんやけど、巡行では縄跳びしてるような動画は無かったから、これは口上と一緒で、宵山だけかも知れんな。
祇園祭 宵々山 綾傘鉾 棒振り囃子
棒振りが引いたあと、囃子方も引き上げて行くけど、あっという間やったね。カッコええなぁ。
綾傘鉾の囃子方は、壬生六斎念仏講中(みぶ ろくさい ねんぶつ こうちゅう)の人が演じてはるそうやで。
祇園祭 宵々山 綾傘鉾 棒振り囃子
目の前で棒振り囃子を堪能できてよかったな。この後は大原神社の中にある綾傘鉾の「会所飾り」を見に行こか。
祇園祭 宵々山 綾傘鉾 提灯
運良く巫女さんからお祓いを受けられて、嬉しかったね。祇園祭でお祓いを受けたんは初めてやね。
綾傘鉾は江戸後期の1834年(天保5年)、小型の曳き鉾に改造されたけれど、 1864年(元治元年)の大火で大部分を消失したんやて。ただ、その模型が残っていて「会所飾り」で展示されてるんやて。
1879年(明治12年)から1884年(明治17年)まで徒歩の囃子として、山鉾巡行に復活したんやけど、1884年(明治17年)以降は完全に途絶えたんや。それが、1979年(昭和54年)綾傘鉾のある善長寺町の人たちの努力で、約100年ぶりに復興させて、それ以降、綾傘鉾は毎年山鉾巡行に参加するようになったんやて。
祇園祭 宵々山 綾傘鉾 会所飾り

右が、1887年(明治20年)に作られた曳き鉾時代の鉾の模型。
※「曳き鉾の巡行図」の手拭いがあったので、買いました。写真を記事の最後の方で掲載しています。

左は、傘鉾の鉾頭として使用されている雄鶏像。巡行の際に傘の先端に取り付けられているのが、これも動画の山鉾巡行時の様子で見られるね。

祇園祭 宵々山 綾傘鉾 会所飾り

山鉾巡行時に着用する棒振りの正装。

衣装が映り込んで見にくいけれど、上の衣装を着用した時の写真やね。

祇園祭 宵々山 綾傘鉾
綾傘鉾には、二基の鉾があって、こちらの第1基は巡行の際に前を行く鉾。「綴織の垂り(つづれおりのさがり)」と呼ばれる傘飾り幕「飛天の図」やけど、時折雨がパラつくので雨具で覆われているのが残念やな。
傘の左側のテントで、粽や手拭い、御守り、扇子などが売られてるので、僕は粽と手拭いを買って帰るようにするね。
祇園祭 宵々山 綾傘鉾 粽
祇園祭 宵々山 綾傘鉾 手拭い「太鼓」
手拭い「太鼓」
祇園祭 宵々山 綾傘鉾 手拭い「曳き鉾の巡行図」
手拭い「曳き鉾の巡行図」
あぁ、それがええな。綾傘鉾の粽には、八坂神社の「蘇民将来子孫也」の厄除のご利益と、大原神社の「厄除・縁結」のご利益が一緒にあるからな。
10時過ぎに、粽と手拭いを持ってホテルへ戻り、窓際に行くと「まだまだこれから」と、ざわざわしている宵山が聞こえてきます。明日もまだ祭がある宵山は、佐々木蔵之介さんやないけど、ほんまに楽しい時間ですから、宿泊の予約を取って出かける値打ちは十二分にありますよ。