京都・高瀬川 幽艶な夜桜に彷徨する

桜の季節、特に気に入っているのが、京都・高瀬川の夜桜です。
昼間はあちこちの桜を見て、日が暮れると高瀬川に沿ってタラタラと夜桜を見ながら歩くと、花見の浮かれ気分もマックスになります。
2022年のそんな浮かれ気分の花見を、神戸猫のPochi(ポチ)とMontblanc(モンブラン)が紹介します。

「高瀬川の夜桜は、美しくて、楽しくて、繁華街の賑やかさがあって、ほんま飽きひんなぁ」と昼間の今から期待満々です。
お昼頃に京都に着いたんやから、高瀬川以外の桜も見たいですよね。
そやな、円山公園のシンボル「祇園しだれ桜」は見たいな。この桜は昼間も迫力満点やけど、江戸時代から夜桜としても有名やったそうやで。
そうなんや。今でもライトアップしてるしね。
しだれ桜の近くには有料の床几台の席もあって、ものすごい人やな。

2023年のライトアップについては3月10日現在、京都市からの発表はまだありません。

ここから東山の方へ行ったら空いてるかも知れんから、そこで一服しよか。
良いですね。八坂神社の近くにある「祇園 鳴海屋」で買った花見団子とみたらし団子を食べましょか。
「祇園 鳴海屋」は京都に行った時に甘いものが欲しい時に寄る和菓子の店。丁寧に作られたお菓子はホッとします。腰をおろして一息ついたので、神宮道を平安神宮へ向かいます。
知恩院の三門は、実際に見ると写真や映像よりずっと凄い、さすが浄土宗の総本山という感じですね。
三門の楼上からはええ眺めやろな。
2023年3月24日(金)~4月2日(日)の午後5時45分から午後9時30までライトアップされて、春の時期としては9年ぶりに三門の楼上が公開されます。三門とは「空門」「無相門」「無願門」の三解脱門を意味しています。

知恩院三門から神宮道を約15分歩くと平安神宮の大鳥居です。

この大鳥居から平安神宮の應天門まで、歩いて10分足らずやのに、大鳥居を過ぎたらすぐ境内に入れると思い込んでいるので、意外と遠い感じがしたな。
ほんまですね。丸山公園から30分近くだらだら歩いて来たので疲れたんとちがいます。神苑に入って、桜を見ながらのひと休みには、池の向こうに尚美館が見えるこの泰平閣(池に架かる橋殿)が良いですね。

「平安神宮 桜音夜 ー紅しだれコンサート2023ー」が4月5日㈬~4月9日㈰に、紅しだれ桜がライトアップされ、尚美館の特設ステージでコンサートが開催されます。

伯父さん、この後、南禅寺の水路閣と蹴上インクラインの桜を見たいんやけど、歩ける?
大丈夫やで、歩けるから心配せんでもええよ。

京セラ美術館の南側にある鴨東運河(おうとううんが)に沿って、南禅寺の方へ。

運河で遊覧船が運航されてるんや。
期間限定の「岡崎さくら回廊十石舟めぐり」やな。

平安神宮の大鳥居から歩いて約30分、南禅寺の三門に着きました。

ここが、歌舞伎で石川五右衛門が満開の桜を眺め、「絶景かな、絶景かな」と見得を切る、有名な三門ですよね。
臨済宗の大本山やから、見事な三門やね。それにしても三門下の石段がえらい高いと思うのは、きっと修行が足りんせいやで。

水路閣は南禅寺境内にある琵琶湖疏水の水路橋です。

レンガ造りのアーチ型の橋脚がいい味を出してますね。
歴史遺産やけど歴史遺跡とは違って、明治時代から水道用水、発電用水、かんがい用水、工業用水を今も供給してるんやで。

蹴上インクラインは、蹴上船溜に到着した舟を台車に乗せて、南禅寺船溜まで運ぶために斜面を行き来させていた鉄路で、1948年の運転が最後になりました。

インクラインの蹴上から南禅寺船溜までの下り坂は桜を堪能できますね。
レールの上を普通に歩いてる人もいるけど、僕は無理やったね。
僕は歩けたよ。
さよか。よろしおますなぁ。

琵琶湖疎水の蹴上と大津を運行する「びわ湖疏水船」についてはこちらをご覧ください。

南禅寺から地下鉄で三条京阪まで出て、午後6時頃、三条大橋を渡る頃には日も暮れかけています。

お腹がすいて来たなぁ。
そうですね。
ちょっと歩かなあかんけれど、寺町京極商店街の蛸薬師にあるお好み焼きの「てっぱんはうす とんとん」に行こか。
ええですね。お好み焼きもおいしいけど、「そばめし」が、又おいしいねん。

満腹の後は三条木屋町まで戻り、四条まで高瀬川の夜桜を堪能します。

念願の夜桜やね。満腹でほろ酔いやから最高やね。
高瀬川は、物を運ぶために作られた運河やけど、こんなに浅くても良かったんかな?
それは、浅い川の舟として長さ約13m、幅約2mで底が浅く平らな「高瀬舟」を使う前提で作られたから、約30cmほどの水深で良かったらしいで。
という事は、高瀬舟が通る川やから高瀬川と名前が付いたという事?
いや、それは定かやないと思うで。よく言われる「そういう説があります」という話や。
ついでに言うと、川沿いの道には材木商が多かったので、木屋町と呼ばれるようになったんやで。
それに今日見てきた、琵琶湖疎水の蹴上発電所で発電された電気を使って、日本初の電車の営業運転をしたのが、この木屋町通りで、平安神宮神苑にその電車が置いてあるんや。
あぁ、もう四条近くまで来たなぁ。もう一度引き返して夜桜を楽しみたいくらいやね。
今日は神戸まで帰らなあかんけど、夜桜も含めて丸1日の花見をする時は、絶対泊りがけで来た方が良いね。