昔々から、神戸では鉄板のお土産はピロシキです

神戸猫のPochi(ポチ)とMontblanc(モンブラン)が、三宮に出かけてちょっと何かお腹に入れたいな、と思った時、「ピロシキ屋」でピロシキを買って一息つきます。

うわ~、あいかわらず神戸阪急の地下のピロシキ屋は人がいっぱいやね。
この辺は、他でも実演販売をしてるところがあるから、混むんやろなぁ。
伯母さんから聞いたんやけど、伯母さんが子供の頃、高速神戸駅と高速新開地駅を結ぶ地下街の「メトロこうべ」にある「おやつセンター」で、同じようなピロシキを時々買ってたらしいよ。
そやねん。そこの店は今は「よつばや」と言う名前になってて、こことどんな関係かは知らんけど、ここと同じようにチャイコフスキーの「花のワルツ」をかけて、ピロシキを作ってるねんて。
そうなんや。そういうたら、ピロシキ屋の紙袋や、ピロシキを入れる箱にもチャイコフスキーとあって、

ワルツで踊ってはるねんな。

生地が発酵するのに「花のワルツ」を聴かせたらええねんて。
ほんまに?
お店が言うてはるから、そうなんやろなぁ。
ちょうど「花のワルツ」というのを揚げてるとこやね。
今日は土曜日やから、カレーチーズピロシキが食べらるね。
ロシアピロシキ、カレーピロシキ、カレーチーズピロシキが2個ずつ入った「週末セット(1,167円税込)」が、よう売れてるな。
伯父さん、全種類買ってみよか。
そうしよか。お皿に置いてみると、
一番上が、ロシアピロシキ(1個184円税込)
その下が、カレーピロシキ(1個184円税込)、あんピロシキ(1個152円税込)、カレーチーズピロシキ(1個216円税込)
一番下が、花のワルツ(1個152円税込)。

ロシアピロシキは、肉と玉ネギの甘さとトマト風味が、鼻の奥で想像できるピロシキの代表みたいなもので、ゆで卵が食感のアクセントになってるね。

辛さが誰でも食べられるまろやかな、カレーピロシキもええなぁ。

金土日限定のカレーチーズピロシキは、チーズの味がしっかりしてるから、特に好きやねん。

ロシアピロシキやカレーピロシキのあとに、甘いもんが絶対欲しなるんよ。しっかりとアンコで甘さが欲しい時は、あんピロシキで、

フワッと軽く甘さが欲しい時は、花のワルツ、がええね。

どれも、毎日揚げ油を替えてるからか、食べやすいよね。
ところで、ピロシキ屋の創業者の実家は、幕末に新選組の壬生の屯所となった八木家やねんて。

そやから、小さい時から壬生狂言の舞台を踏んできたんやて。それで「売り場も舞台」をモットーに、実演販売の店づくりをしてるねんて。

その壬生狂言は約700年前、壬生寺の円覚上人が始めたとされてるんやけど、面白いのは、壬生狂言には、狂言用の面は着けんと赦熊(しゃぐま)を被って覆面をして、囃子は鉦(かね)だけという「棒振」という演目があるねんて。これ見覚えがあるやろ。

あぁ、京都祇園祭の綾傘鉾の棒振り囃子や。9月に神戸ハーバーランドの高浜岸壁で見たとこやんか。今まで京都を出たことがなかった綾傘鉾が、初めて京都を出た時やったんやで。こっちは、鉦、笛、太鼓で囃してるけどね。
そうや、ポチも知っての通り、綾傘鉾の囃子方をしてるのが、壬生にある「壬生六斎念仏講中」という、郷土芸能の「六斎念仏踊り」を継承保存する団体やんか。ここもお盆には壬生寺で演目を奉納してるんやで。
壬生と言うたら、壬生菜と新選組の屯所が知られてるけれど、郷土芸能が盛んな土地なんやね。
壬生狂言は円覚上人が、六斎念仏踊りは空也上人が、それぞれ分かりやすい方法で仏の教えを説こうとしたのが始まり、と言われてるから京都らしい話やね。
ピロシキの話から壬生の話になるのは、神戸も京都とはゆる~い「ご縁」があるからかなぁ、と思うね。