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暑い祇園祭には、和菓子と冷たい麦茶
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暑い祇園祭には、和菓子と冷たい麦茶
JR京都駅中央口の切符売り場の上にスクリーンがあって、誰もがイメージする京都の映像を流してるんやね。これは祇󠄀園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇󠄀園東の五花街(ごかがい)の紹介ビデオやね。こんなん見てると、京都に来たぞ、と実感するなぁ。
うん、そやね。僕は、もう一つあって、京都駅を出て京都タワーと空を見ると、あぁ京都や、といつも思うねん。
祇園祭の宵々々山の昼間は暑いから、日差しをよけて祇園祭用提灯の商店街を通って行こか。
コンチキチンのお囃子が流れてて、なんかワクワクするなぁ。
ほんまやなぁ。コンチキチンいうたら鶴屋吉信の「こんちきちん」を連想するな。もっちりの皮と甘さがええ具合の粒あんがおいしいねん。
抹茶と一緒も勿論ええけど、今の暑い時期は冷えた麦茶が、やっぱりええな。
夕方に、生で聞く鶏鉾の祇園囃子は、ほんまにええな。お祭りやね。
「こんちきちん」の鶴屋吉信つながりになるけど、夏の生菓子も涼しげでええね。
左の「朝涼し」はまだ涼しい夏の朝の朝顔を外郎と白あんを使って表わし、右の「玉清水」は岩から湧き出た水と美しい石を葛と小倉で表してるんやて。「玉清水」の葛にしっかり味があったのには、ほんまに
びっくりした
わ。
ポチ、日が落ちて、せっかく山や鉾を廻ってるんやから、お菓子の話は又あとでしよか。
ごめん。それにしても菊水鉾の榊は大きいなぁ。
駒形提灯が燈ってると、自分が想像する京都の路地になってるね。
ほんまやな、路地の明るさと言うか、暗さと言うか、想像通りの路地になってるし、昔見てたような建物があって、ほんま京都の面白いところやね。
伯父さん、この提灯の字、何て読むのん?
さぁ?ちょっと分からんなぁ。
そろそろポチの推しの綾傘鉾の棒振り囃子が始まるんちゃうか。
ほんまや。芦刈山から近いから大丈夫、間に合うよ。
去年初めて、綾傘鉾の会所飾りをしてる大原神社でお祓いをしてもらったけど、今年もしてもろて良かったな。
ほんまやね。時間によってはお祓いをしてない時もあるみたいやしね。
棒振り囃子が太鼓から始まるで。
太鼓が踊り出したら、いよいよ棒振りが出てきたで。
おぉ、棒振りが蜘蛛の糸を投げたで。
運良く糸を拾えたね。糸の先にある重りは幸運をもたらす、と言われてるらしいから、良かったね。
幸運と言うたら、ポチは粽の他に手拭いも買ったんやね。
新柄が出てたし、前に買った分が傷んできてたんで、新しいのが欲しかったからね。
伯父さんも、扇子を買ったんやね。
そやねん。今年は暑いから出かける時に欲しかってん。お守りになるような気もしてな。
伯父さん、お菓子の話してもええかな?この前、本高砂屋の「きんつば」を買ったんよ。この暑いのに何でやと思うやろけど、家に帰って麦茶を飲もうと思ったら、甘いもんが欲しなって、小豆あんと合いそうな気がして買ったんよ。
食べたら正解やったね。一杯目の麦茶はゴクゴクやけど、物足らんなぁ、と二杯目を飲むと持て余す時があるやんか。そんな時「きんつば」や同じ本高砂屋の「よもぎ大福」もいけるよ。
「丸ぼうろ」も麦茶のおともに入れといたってな。ほんのりした甘さと、軽い口当たりが、よう合うねん。
暑い時の麦茶はおいしいから、甘味があると一層楽しなるね。