木の香りがいっぱい・竹中大工道具館

神戸猫のPochi(ポチ)とMontblanc(モンブラン)は、雨の日に出かけるのは屋内が良いかなと、新神戸駅近く、バス道の野崎通りに面してる「竹中大工道具館」へ出掛けます。

地下鉄やったら、バス道の坂がきついので、新幹線の新神戸駅の改札口がある2階までエスカレーターで上がり、そのまま東出口から出ると竹中大工道具館はすぐやね。
そやな、それか三宮からやったら、市バス2系統か18系統に乗って「熊内6丁目」バス停で降りてもすぐやな。
以前紹介したシフォンケーキの「プティ・フルール」を紹介した時のバス停やし、竹中大工道具館から近いから、帰りに「プティ・フルール」に立ち寄ってもええしね。
これだけ大きなガラス張りのロビーやったら、雨の日でも暗い印象は無いね。
そやね。もちろん晴れの日みたいに明るいわけやないけど、木の香りと雨のしっとり感で気分が落ち着くなぁ。ロビーではその都度、企画展が開催されるので、行く前にこちらでチェックしといた方がええかも知れませんね。
1階ロビーで3月4日から5月7日まで開催された「イサム・ノグチTOOLS」展
建物の骨格は鉄骨材なんやけど、鉄骨を感じない上に柱がない広い空間がすごいなぁ。舟底天井も迫力あるしね。
地下1階と2階に常設展示がありますね。竹中大工道具館は地上が1階で、地下に大きな展示室があって、建物を平屋にしてるのが面白いね。
高い建物にすると後ろにある六甲山の景色を邪魔すると思ったんかな。竹中工務店は1610年に名古屋で創業して、1909年に神戸を本社にした後、1923年に大阪へ本社を移してるんよ。そんな神戸にゆかりのある会社やから景観にも配慮したんかな。
常設展示にはテーマがあって「棟梁に学ぶ」のコーナーで、大工棟梁の実際の仕事を解説した、原寸の唐招提寺金堂の組物模型やね。
これは地下1階で目を引くし迫力満点やね。
「歴史の旅へ」がテーマのコーナーで大工道具の歴史や種類を紹介されている、15世紀頃(室町時代)に普及した二人掛かりで製材をする大鋸(おが)と言われるもので、因にこの時に出る屑を「おがくず」と呼ぶねんて。
説明パネルのイラストは僕の好みやね。

こちらも「歴史の旅へ」で展示されてる、1841年(天保12年)京都伏見の桃山天満宮の社殿完成時に奉納した大工道具59点やね。

50年以上前、僕が子供の頃は、大工さんが大工道具で家を建てるのは当たり前で、その時の大工道具の印象は、この大工道具59点とほとんど変わらん印象やね。
「道具と手仕事」のコーナーに展示されてる大工道具の標準編成で、179点もあるそうですよ。
材木に線を引く墨壺が作られてゆく過程が面白いね。
僕は墨壺の形が好きで、三谷幸喜監督「みんなのいえ」で棟梁役の田中邦衛が天井裏に墨壷を置くシーンが浮かんできますね。
ヨーロッパと日本以外のアジアでは、鋸も鉋も「押して」使うけれど、日本では全く反対に「引いて」使うのは、木の硬さと力の入れ方、あるいは加工精度の追求度合いに原因があると見られる、と「世界を巡る」コーナーで解説があって、
左からオーク、赤松、檜の順

日本の檜、中国の赤松、ドイツのオークを実際に持ち上げて見ると、重さは檜と松ではそれほど変わらないけれど、オークは驚くほど重かったよ。

実際に木に触れると、その木にふさわしい大工道具が必要なのが良く分かるね。
ドイツの木組み模型
「和の伝統美」コーナーにある数寄屋建築の茶室の実物大模型。奥に見えるのは組子細工の障子やけど、どっちにしても、ほんまに根のいる仕事やね。
そやな、数寄屋建築で使ってる丸太や竹は、自然のかたちを残しておくのが特徴やから、組み合わせるのは大変やろな。
大工道具の鍛冶屋さんを紹介する「名工の輝き」コーナーでは、

鑿と鉋が専門の千代鶴是秀の工房が再現されてるけど、展示用に道具が整然と置かれているのではなく、実際にもきれいな工房だったそうですよ。

極端に腕がええ人をドラマで描くと、身の回りがぐちゃぐちゃで、さもありなん、みたいなんがあるけど、千代鶴是秀はそやない所がおもしろいな。
木の種類や性質を紹介する「木を生かす」コーナーでは、針葉樹の杉、檜、赤松、ヒバ、栂(つが)や、広葉樹の栗、欅、桜のサンプルがあったり、

年輪模型があって、木のどの部位が、どのように呼ばれ、どのような模様の材木になるのか、手に取って見えるようになってるね。

採る場所によって、模様が違うから手に取って見たほうがええね。
伯父さん、飲み物が欲しくなったので、別棟にある休憩室でちょっと一服しましょか。
ああ、それがええな。展示室ではずっと木の香りがしてたけど、休憩室も木の香りがして、ゆったり落ち着くね。緑に囲まれてるのもええな。
あれは布引ハーブ園のロープウェイやね。雨が結構強く降ってるけど、不思議に焦らへんなぁ。これから鬱陶しい梅雨時なんか、ここに来たら気分が和らぐからええやろね。