神戸・原田の森にある 横尾忠則現代美術館で開催中の《原郷の森》は楽しい

横尾忠則の小説「源郷の森」は文字だけの世界ですが、絵画などを使って表わそうという展覧会が8月27日(日)まで、王子動物園の南にある横尾忠則現代美術館で開かれています。神戸猫のMontblanc(モンブラン)は、一度はちゃんと横尾忠則の作品を見ておこうと、甥のPochi(ポチ)と一緒にやって来ました。

4階にある「キュミラズム・トゥ・アオタニ(Cu-Mirror-ism to Aotani)」は、外の景色を撮った写真が、床、壁、天井に貼られているうえに、窓から見える景色もあるから、万華鏡みたいな不思議な世界が面白いな。
窓からは横尾忠則が住んでいた青谷町と、その後ろの摩耶山を見ることができるね。
伯父さんは昔から横尾忠則の作品に興味あったん?
名前は知ってたし、兵庫県の西脇市の生まれやという事、神戸新聞社に勤めてたという事、それと今までの「これがポスターや」という描画スタイルを超えて、インパクトのある生々しい世界を持ったイラストレーターやな、という印象があったんやで。
フラッシュと三脚使わへんかったら撮影してもええねんて。自分自身をケチらへんものすごい太っ腹やと思わへん。
ところで同じこともう一回聞くけど、何で美術館へ来ようと思ったん?
さっきも言うたけど、イラストレーターとしての横尾忠則の作品を見たことはあったけれど、画家としての作品は見たことがなかったから、見たいなぁとは思ってたんや。
あぁ、そうか。
僕はこの「Y字路」シリーズのこの画がええなぁ。
「Y字路」シリーズのこの画は、自分も見た事がある風景のような気にさせられる画やね。人がぼんやり夢想してるのを画にしてしまうのは、すごいなと思うな。
この小さい写真がいっぱいの画を見ると、伯父さんは横尾忠則らしいな、と思うんと違う?
そやな、言われたらそう思ってるかも知れんな。
2階展示室は「源郷の森」の森の木洩れ日を思わせる照明になってたね。
3階は「源郷の森」の登場人物の画が中央に置いてあって、ライトが当たった登場人物の台詞を、人の声で流してるのが面白く、画の前でどんな事を言うのか、待ってたりしたな。
4階の「キュミラズム・トゥ・アオタニ(Cu-Mirror-ism to Aotani)」と同じ階にある、事務所前の「目玉廊下」でも、えっ!何や、と立ち止まったりしましたね。
ほんま、初めて横尾忠則の作品をちゃんと見たけど、やっぱり作品に嘘はなかったし、この人は意欲の衰えん人や、いうのがよう分かる展覧会やったね。
面白かったな、展覧会のある8月27日(日)までに、少なくても、もう1回は来てみよか。