神戸猫が京都・清水寺に参拝

春の桜、秋の紅葉と来たことがありましたが、京都の代表的な観光地・清水寺は大混雑になっていました。シーズンオフともいえる2月なら大混雑はないだろうと、神戸猫のPochi(ポチ)とMontblanc(モンブラン)が清水寺に参拝しました。

伯父さん、僕は京都に来ると不思議に浮かれる場所があって、この八坂通もその一つなんです。
そやなぁ、ここから産寧坂(三年坂)から清水坂を通り清水寺へ行ったり、二寧坂(二年坂)から「ねねの道」を通り高台寺や八坂神社・円山公園へ行ったりできるから、ザ・観光地の雰囲気で一杯で誰でも浮かれるで。

八坂の塔を過ぎて「文の助茶屋」あたりで立ち止まります。

まるで夢の中の景色みたいやなぁ。あの奥の建物は何やろ?
スマホで調べたらホテルですね。ほんま不思議な景色ですよね。

産寧坂(三年坂)の階段の所までは、両側にある土産物や飲食の店を覗きながら歩いています。

伯父さん、この先キツそうな階段やけど大丈夫?
大丈夫やで。ここで転んだら「三年で死ぬ」と言われてるからゆっくり上るわ。右の店の前に座ってる京招き猫の前で転んだら、神戸猫の恥やしな。
あぁ、やっと清水寺の正門の仁王門まで来たなぁ。
ほんまやね。りっぱな楼門やなぁ。
2003年に解体修理されてるんやね。
仁王門のここから京都の町が見えるで。
うわっ、すごい人やなぁ。
もう桜の木には蕾らしきものがあるし、いよいよ賑やかな春が来ますね。
音羽山の崖に建つ清水寺の本堂にあるこの舞台は、眺めの良いことで有名やけど、本来は清水寺の御本尊の観音様に芸能を奉納する場所で、現在でも舞台奉納がおこなわれてるんやて。
舞台から町が見えてすごい開放感がありますね。
さっき本堂に入る所で拝観券受付が広いので、うっかり拝観券無しで入ってしまう人がいても、いちいち注意してないんですよ。そのせいかお寺の空気がふわ~っとしていて、緊張しない楽な所ですよね。

拝観順路に従って本堂の右手に進んで、

天井を見上げると大きな額があります。
何て読むんやろ?
「じげんししゅじょう ふくじゅかいむりょう」と読むんや。御本尊の観音様は「優しい、慈しみの眼差しで全ての人々を見ています」そして観音様の「しあわせをもたらす功徳の量は海のように広大ですよ」というような意味やと思うで。
伯父さんよう知ってるね。
へへ、僕も知らんかったからスマホで調べてん。

あざやかな彩色が目を引く阿弥陀堂です。

阿弥陀さんの前に「日本最初 常行念仏道場」の額があるけど、伯父さん分かる?
「浄土宗の開祖・法然上人が唱導した常行念仏が日本で最初に行われた場所」と清水寺の説明があるけど、法然が清水寺と縁があったとは知らんかったな。
1996年に彩色を復元していて、屋根も以前の姿に戻す復元補修が2017年に終えているんですね。
きれいやなぁ。
落ちてくる清水がお寺の名前の由来となった「音羽の瀧」やけど、たぶんチベット仏教のお坊さんと思うけど、お参りしてはるよ。
ほんまや。一人ずつ柄杓を持つのんではなく、ひとつの柄杓の水をニコニコしながらみんなで分けて口をすすいだり、おでこにつけたりして清めてはるんやね。ええ光景やなぁ。
音羽の瀧の真上にある奥の院には、弘法大師の坐像が祀られてるんやて。清水寺は法然や弘法大師と縁があったり、チベットのお坊さんが参拝したり、よく分からないけれど、何かで見たことのあるアジアの宗教の正装をしている団体に出会ったりする、不思議な自由さのあるお寺やね。
そやね。伯父さんと京都に来た時は、必ず建仁寺にお参りさせてもらってるけど、ひと目でわかる外国の宗教の服装をしてる人に出会ったことはないもんね。
なぁポチ、歩き疲れたから茶店で一服しよか。
それにしても「舌切茶屋」てすごい名前やね。
茶屋の名前の由来から以前から興味はあったんやけど、来るのが延び延びになってたんでね。
由来て何?
「舌切茶屋」は、清水寺の僧で勤王攘夷の月照を支えた近藤正慎の子孫が営業してるねん。月照が西郷隆盛と一緒に九州へ逃げたのを助けた疑いで投獄された近藤は、何もしゃべらんと舌をかみ切って自決したんや。これが店の名前の由来や。
うわっ、壮絶やな。
頼んだポチのぜんざいが来たから、冷めんうちに食べなあかんで。僕は抹茶。
小さい時から月照に仕えて、九州にも同行した大槻重助の子孫が営業してる「忠僕茶屋」というのも近くにあるんやで。
ごちそうさま、おいしかった。そろそろ行きます?
きれいな三重塔ですね。
そやね。町からよく見えるからTVでも京都市内からの中継の時に映し出されてるのんと違うかな。
一番最初にくるのが「生類の捕獲を禁ず」という掟はええなぁ。
命の自由を縛るのはあかん、という事やな。

来た道の清水坂から産寧坂(三年坂)、二寧坂(二年坂)を通り、ねねの道を行きます。

突き当りに見える独特の建物は、祇園祭の鉾をモチーフにした大雲院の祇園閣ですね。
そやね、もうすぐ丸山公園やね。
今は静かな円山公園の「祇園しだれ桜」やけど、ひと月ほどしたら見事な桜と花見見物で賑やかになるやろね。
僕らも花見には来たいね。

※表示に時間がかかりますが、良ければ清水寺の境内案内図がこちらにありますのでご覧ください。