1868年、神戸港開港の時に造られたメリケン波止場にメリケン粉はあったのか?

伯父さん、このメリケン波止場とネギ焼きに何か関係があるのん?
そやなぁ、うちで作るネギ焼きはベースになる小麦粉を水と長イモで溶いて、たいがいは具材にネギ、豚肉、天カス、チクワ、卵を入れるやろ。
僕が子供の頃は、小麦粉をメリケン粉と、みんなが呼んでたんや。そやから僕は、メリケン粉はメリケン波止場から運ばれてくるから、そう呼ばれてると思ってたんや。
子供の頃の伯父さんはそう思ったんや。そやけど、なんでメリケン波止場と言われてるのん?
ここへ来る時に海岸通りの陸橋を渡ってきたやろ。
手前のビルがシップ神戸海岸ビル、奥が旧居留地のイメージによく使われる商船三井ビルディングが東側にあって、
西側に神戸メリケンビルがある「メリケン波止場前」交差点の陸橋の事?
そうそう、その交差点の西側横断歩道を渡ると、「神戸税関 萬國波止場」という碑があるやろ。
この碑の向かって左面に「・・・小さな突堤があり、その先に浮き桟橋があった。近くに、アメリカ領事館があったので、人びとはアメリカ桟橋をなまってメリケン桟橋と呼ぶようになった・・・」と、メリケン波止場の謂れが説明してあるんや。後でこの波止場は「萬國波止場」と名付けられたけれど、メリケン波止場の方が今でも普通に使われてるな。
これは、メリケン波止場から海岸通りを見た古い写真やね。
右から二つ目の白っぽい建物は、竣工1922年(大正11年)の商船三井ビルディングで、その左隣は今は15階(1998年改築)になってる、竣工時(1918年/大正7年)は4階の海岸ビルやね。
現在のメリケン波止場から見た海岸通り。商船三井ビルディングはそのまま残っています。
メリケン波止場とは何の関係もないにしても、なんで、メリケン粉と言うんやろ?
ネットで見たら、「日本産の小麦を製粉したものをうどん粉、アメリカから輸入した小麦を製粉したものをメリケン粉と呼んでいた。メリケンはアメリカン(American)のことで、英語発音がそう聞こえるためである。(Wikipedia)」らしいで。メリケン波止場と関係はないけど、アメリカを訛ってるのは一緒やな。
ところで、ネギ焼きのネギは「九条葱」やないとあかんのん?
別にこだわってる訳やないけど、昔、今ほど「九条葱」が一般的やなかった頃、京都高島屋で形が悪いので特売になってた「九条葱」を買ったらものすごく美味しかったんで、神戸でも見かけると買うようになったんや。
醤油をかけて日本酒のアテにしたり、お好み焼きソースをかけてビールと一緒もええけど、おススメは、1923年(大正12年)神戸で創業したオリバーソースの「オリバー どろソース」で味にピリッとアクセントをつけることやな。口がシャキッとなって何枚でも食べれるで。
伯父さん、美味しいのはわかるけど、食べ過ぎ飲み過ぎには気い付けてよ。
分かってるがな。
手前の阪神高速、向こうの国道2号バイパスの高架下がメリケン波止場やから、海岸通りから歩いてもほんの数分やね。
赤いレンガの建物の向こうに「神戸港震災メモリアルパーク」があって、1995年の阪神淡路大震災で壊れたメリケン波止場の一部が当時のまま保存されてるんやね。
そやな。「神戸港震災メモリアルパーク」をもう少し先まで歩くと「メリケンパーク」の広場になってて、色んなイベントが開かれたり、海沿いの散歩やジョギングのコースになってるね。

メリケンパークのイベント情報などは こちら https://www.kobeport-upark.jp/news/

ポートタワーがリニューアル工事に入る前のメリケンパークの写真です

メリケンパークでは、
7月16日(日)10:30~20:00
7月17日(月・祝)11:00~19:30
「第22回Kobe Love Port・みなとまつり」
があるね。入場無料。
昼間は海から山への海風が、夜は反対に山から海への山風が、広場を抜けてゆくので、暑さ対策をちゃんとしておけば、熱がこもりにくいと思うから、まつりを楽しめるよ。
みなとまつりのWEBサイトは こちら https://minatomatsuri.jp